生きていく上で、人間関係は切っても切ることができません。
今回の記事は、そんな人間関係に悩みがある人に向けた記事です。
学校、職場、子どもの学校先。
対人関係に悩みがある人、そして自分らしく生きたい人におすすめの本を紹介します。
今回の記事を読めば、人間関係の悩みに光が見えるかもしれません。
嫌われる勇気
本書、アドラー心理学の第一人者であり、カウンセラーでもある岸見一郎さんがライターの古賀史健さんとタッグを組み、執筆した本です。
インターネットが普及し、様々な媒体で人と関わることが増え、人間関係が複雑になった現代社会に向けた本と言えるでしょう。
アドラー心理学は、オーストリア出身のアルフレッドアドラーが提唱した思想。
「フロイト」「ユング」と並ぶ世界の三大心理学の一つと言われています。
ここでは、アドラーが提唱する生き方で、私の心に刺さったものを紹介します。
簡単に紹介しますので、言葉足らずのところもあると思います。
ただ、少しても刺さる部分があれば、ぜひ手にとってください。
本書から紹介したい考え方
- 全ての人に認められる生き方をやめる
- 立場や人間関係を気にしすぎない
- 「もし…」の考え方をやめる
全ての人に認められようとする生き方をやめる
アドラーは、相手によく認められたい、よく思われたいという気持ちの根底にあるのは、実は相手のためではなく、自分が嫌われたくないとう気持ちがあるからだと言っています。
要は、相手によく思われようとする気持ちは、相手のためではなく、自分のためだということですね。
まあ、そうは言いつつも、相手に認められたい、褒められたいという気持ちは誰にでもあります。
でも、「他の人からどう見られるか」ばかりを気にしてしまう生き方は、自己中心的な生き方だと言っています。
人のことを考えていたはずなのに、結局は自分のことを考えていた…。
頭をガツンと打たれたような衝撃が走りませんか。
大事なのは、人のことではなく、自分が素直になれる関係性を目指すことです。
無理をしてまで築く人間関係は必要ない
アドラーは、相手や自分の立場に関係のない、純粋な人と人の関係を「横の関係」と呼んでいます。
ちなみに、そうではない関係を「縦の関係」といいます。
いわゆる、立場や相手を迎合している関係、簡単にいえば上下関係などですね。
理想は、すべての人と横の関係を持つことです。
立場や相手の気持ちを優勢した人間関係は極めて、不健康だということですね。
そもそも、自分の意見を相手がどう受け取るかは相手の課題なので、気にする必要はない。
にもかかわらず、私たちは、相手の立場や地位を気にして、人との関係を構築しすぎていると。
アドラーは、すべての人と横の関係を築けと言っています。
そして、誰一人とも、縦の関係を持つべきではない、と。
「えっ?」そう思う方もいるでしょう。
かくいう、私も「そんなの無理だよ!」と思って読み進めてましたから。
アドラーがすごいのは、私たちがその人との関係をよくしたくないのなら、はさみで断ち切るべきだと言っています。
つまり、縁を切れと言わんばかり。
無理をしてまで築く人間関係は、必要はないということです。
できるかどうかはさておき、この言葉はすごい救われます。
「もし」の生き方をやめる
人には様々な過去があります。
過去の積み重ねで現在があるとはよく言われていますよね。
ただ、もし、現在のあなたの行動が、過去の出来事にとらわれているとしたら、または、自分の境遇を理由に行動を制限しているのであれば、この話は衝撃的かもしれません。
アドラーは、過去にとらわれたり、境遇を言い訳したりする生き方を、強くそうであるべきでないと言及しています。
あなたが自分の境遇や過去の出来事を現在の生き方の言い訳にしているのであれば、それはそのことが原因ではなく、あなた自身がそれを原因にして、自分でそういう生き方を選んだからだと言う風に説明しています。
わかりづらいので、例をあげます。
あるところにAさんがいます。
Aさんは、過去のある経験から人と話すことが怖くて、家から出られません。
この場合、その過去のある出来事が家から出られない原因と言えます。
「嫌われる勇気」によれば、Aさんが家から出られない原因は、他の何でもないAさんが原因だと言っています。
Aさんは、現在の行動に理由を持たせるために、過去をそのように意味づけていると言う考え方なのです。
これば、トラウマがあって行動できないという考え方は正しくないということになります。
これだけ聞くと、厳しく聞こえますね。
でも、アドラーは過去の生き方や体験に意味を与えるのは、あくまで自分なのだと言っているのです。
自分が与える意味づけによって過去はどうとでも変化するということです。
これは、裏を返せば、あなたは幸せを自分で作り出せると言うことなのです。
そこに過去は関係ないのです。
大事なのは、過去を原因とした現在ではなく、現在に焦点を与えるのです。
境遇も同じです。
もっと、お金があれば、〜がよければ、のように、「もし」を言い訳にしている場合、それは行動を起こしたくないがために、理由を境遇から作り出しているということなのです。
「嫌われる勇気」では、そんな考え方からは脱却するべきだと言っています。
何が与えられているかに固執すると動けなくなる。
私たちは、「変えられないもの」ではなく、「変えられるもの」に目を向けることが大事なのです。
この考え方は、今を見つめるマインドフルネスに近いものがあると感じました。
まとめ 本の素晴らしさ
さあ、それではここまでの話をまとめましょう。
1つ目では、相手に認められたい気持ちは、裏を返せば、自分勝手にすぎないこと。
2つ目では、立場や人間関係を気にした人間関係は築くべきではないこと。
3つ目では、生き方を選んでいるのは誰でもない私であることを見ました。
総括すると、アドラーが提唱する生き方を実践するには、嫌われる勇気を持って自分の人生を生きることです。
これまで考え方を紹介してきましたが、全てに通じる大事なことがあります。
それは対人関係を含め、自分の人生における行動を決めるカードは、全て自分が握っている・決めているという事実を認識するということです。
アドラーは、今この瞬間をどう生きるかが大切だと言っています。
あなたの人生に意味を与えられるのはあなただけなのだと、あなたの人生なのだから自分の思うがままに生きなさいと言っています。
そして、そのためには、自分で勇気を持って行動を選ぶ必要があるということです。
だからこそ、自分の決断を自分の思うように決めるには、相手に嫌われても良いという勇気が必要なのです。
どうでしたか。ここまで読んでいただいた人の中には、アドラーの考え方や、説明に疑問を抱く人や反論がある人もいるのではないかと思います。
そういう人も、ぜひこの本を読んで欲しいと思います。
というのも、この本は、アドラーの考え方を正面から否定する青年とアドラー心理学者の二人の対話が時系列で描かれています。
学者が提言する考えに対し、青年は何度も異なる主張をぶつけて行くのですが、それを学者が柔らかく包み込むように、諭していくのです。
学者の語り口が絶妙で、読後には、優しい気持ちになっている人が多いのではないでしょうか。
ぜひ対人関係で悩みがある人は手に取って読んでみてください。
この本は、そんなあなたの悩みを解決してくれるかもしれません。
著書では、他にも人生のタスクなど、どう生きていくべきなのかも触れられています。
ぜひ、そこも読んでほしいと思います。