今回は、著書「自分でできる子に育つほめ方と叱り方」より、してはいけないほめ方と叱り方を紹介します。
本の帯は、「3歳児検診で全家庭に配布すべき本」との見出し。
これから子どもが大きくなる家庭にはもちろん、すでに小学校に入学している方にも必読の内容です。
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この記事は、子どもの褒め方がわからない、どう叱るのが良いのか分からない。
そんな方にオススメです。
それでは、本題にいきましょう。
日本の子どもの特徴
日本に多く見られる子どもの傾向をしっていますか。
それは、自己肯定感が低い子どもです。
ここで質問です。
どうしたら、自己肯定感は高くなるでしょうか。
こう言う質問をすると、「たくさんほめてあげよう!」と考えるお母さん、結構います。
ですが、褒め方は一歩間違えると、危険な毒薬になりかねません。
今回は、気づかないうちにしている「非効率なほめ方と叱り方」を紹介します。
実は、この「非効率なほめ方と叱り方」が、知らず知らずのうちに子どもの自己肯定感を低めているかもしれないからです。
してはいけないこと
それでは、ここからはしてはいけない、叱り方と褒め方を見ていきましょう。
愛情を餌にした叱り方
愛情を餌にした叱り方とはどいういうことか。
例えば、いつも寝る前に読み聞かせをしているとします。しかし、その日は、寝る前にお母さんの言うことを聞くことができませんでした。怒ったお母さんは、「今日は読み聞かせしない!」と決めます。
このように、「親の言うことを聞かないと、いつもしていることをしてあげない」ことをする。これが、愛情を餌にした叱り方です。
これをすると、何が起きるか。
子どもは、親の言うことを聞かないと愛してもらえないと思います。
その結果、自分の意思よりも、親の期待に沿った行動を取るようになってしまうのです。
小さい頃は、それでもいいかもしれませんが、長期的にみると、下の4つのデメリットが出てくるので注意が必要です。
①短期的にしか興味を持てなくなる
まあ、自分の意思よりも親の意思を尊重しているわけですから。
②条件付きの自己肯定感を持つ
自分が褒められるのは~~しているときとなってしまいます。
ただ、居るだけで得られる安心感を持てなくなってしまいます。
③親子関係の悪化
親の言うことを聞かなければいけない、主従関係が聞くのも、力がない小さいときだけ。子どもが成長すれば、親の言うことを聞かなくなるのは当然ですね。
そして、最悪なのは、そのような弊害を持って育ったにも関わらず、その子が親になったときに、子どもが同じことをしてしまうのです。
能力や見た目をほめる
子どもをほめるときに大事なのは、過程(プロセス)を意識することです。
そうでないと、子どもは自分の努力や頑張りを認めてもらえないと思います。
もともと持っているものや、成果だけをほめ続けられた子どもは、努力が見てもらえないと思うようになり、課題に対して、意欲を失っていきます。
大事なのは、あくまでも子どもが起こした行動に対してほめるようにすることです。
ここで例を紹介します。
ご飯をこぼさずに食べた子がいます。
どのようにして褒めるのが良いでしょうか。
ちなみに、「おりこうだね」「すごいね」はNGです。
良い褒め方は、「がんばって最後までこぼさなかったね。」「スプーンの持ち方を変えられたね。」のように、プロセスに注目した褒め方です。
なぜか。
子どもを褒めるときには、行動に目を向けないと、子どもは意欲を失ってしまうのです。
また、物事に対するチャレンジ精神の低下、興味を持たない子どもの育成につながってしまうからです。
考えてみれば、当たり前の話ですよね。がんばりが認められないんですから。
この点については、1998年のドゥエック博士とミューラー博士の研究が面白い結果を報告しています。
実験では、能力をほめるグループと、プロセスをほめるグループ、そして、適当におざなりにほめたグループを3つ作り、学習に対する意欲を調査しました。
能力をほめるグループは、結果だけを注視したほめで、おざなりにほめたグループは、それこそ、「えらい」「すごい」「上手」など中身がないほめ方です。
さて、どうなったかというと、結論から言うと、プロセスをほめたグループの子が最も、難しい課題に挑戦する意欲を見せたことが明らかに。
大事なのは、子どもがどう取り組んだかをしっかり見てあげることというのがよくわかりますね。
褒美と罰はしてもいい?
褒美の罠
「次のテストで〇〇点とったら、ご褒美で〇〇を買ってあげよう。」
このような、褒美をあげていたら、要注意です!
なぜなら、褒美は、一時的にしか効果がないからです。
また、褒美を続けてしまうと、褒美がないものに対しての意欲がどんどん失われてしまいます。また、自己中心的な考え方になってしまうとの見解も。褒美をもらう子どもは、どのようにしたら、次も褒美をもらえるのか、そのことだけを気にするようになってしまうのです。
罰の罠
罰にも褒美同様に罠があります。
まず、攻撃的な性格になりやすいということです。そして、力を使った方法が正当化されるという考え方になっていきます。また、褒美同様に罰を避けることに注意がいき、行為に対する反省に結びつかないそうです。
罰の対象となる行動がなぜいけないのかを理解させない限り、問題行為の本質を理解することはないとのこと。
では、どうしたらいいのか。
大事なのは、罰を作るのではなく、家族のルールを一緒に考えることです。
話し合いをしていく中で、何がよくて、何がダメなのか。そして、それはなぜか。
こういったことを理解させていく姿勢が大事なんですね。
まとめ
ここまで、私たちが知らず知らずのうちにしている非効率的なほめ方と叱り方を見てきました。
ここでは、してはいけないことを紹介しましたが、著書には、どのように子どもと関わるべきかの具体的なアドバイスも載っています。
今回の記事を読んで、気になった人は、ぜひ一読をお勧めします。
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